media 2018.7.5

「法政大学経営学部 演習(マーケティング) 西川英彦」『TOSHIN TIMES 講義ライブ2018』

「楽しい」をカタチに 実践的な商品開発を通じ 理論をしっかり身につける

講義の流れ
 企業の活動にとってきわめて重要なマーケティング、商品企画、マーケティングリサーチ、消費者行動などの理論を学び、 さらにビジネスプランや商品企画を実践する。2年生、3年生、4年生が参加する合同ゼミで、4年生のゼミ長を中心に文献 の輪読、商品企画のプレゼン、学生間の質疑応答、先生による講評などが行われる。

知的好奇心を武器に、学生の視点から実践的マーケティングに挑戦する

4年生が引っ張る 合同ゼミならではの 活気と緊張感
 水曜の午後に行われるこの授業は、2、3、4年生の参加する合同ゼミだ。 「ふつう4年生は就活などもあって、ゼミをやめてしまうことも多いのですが、 この演習では4年生がゼミ長を務めて合同ゼミを引っぱっています。彼らの経験や知識は、2年生、3年生にとって 貴重な財産です」と西川先生は語る。 また、社会で活躍しているOBの参加も珍しくないという。 この日は第4回目ということで、す でに始動しているビジネスプランコンテストに関するプレゼンが行われた。
 これは協賛企業が提示する「テーマ」をもと にプランを立案するも の。3学年混合のグループが「食べるサボテンをプロデュース」 「ホテルで衣類をレンタルサービス」「生体信号を利用したぬいぐる み」「カレーの新規事業」「生体信号システムを使った教育補助シス テム」「とんがりコーンの新たな挑戦」と、いずれも学生ならではの斬新なプランを発表。単なる企画の説明にとどまらず、 ターゲット、類似ビジネス、市場の将来規模や成長率、競合相手への対策などにも話は及ぶ。 プレゼンが終わると、学生たちから意見、感想、疑問が次々と飛び出す。「アプローチの仕方に工夫が必要ではないか」「本当に需要があるのか」「プライバシーの問題はないのか」 こういった多様な意見を取り入れていくところから、新しいものが生まれるのだという。

実践的な企画開発でマーケティング理論を深く理解する!
 次は西川先生からの講評だ。 「人が思いつくようなアイデアではだめ」「HPだけでなく新聞や雑誌も 使って、協賛企業を調べるように」「その企業の過去の失敗例が大きなヒントになる」など、ビジネスの世界でも実 務を重ねてきた先生ならではのアドバ イスだ。 ゼミの今後の主な活動としては、3 年生が取り組むSカレ(ステューデン ト・イノベーション・カレッジ)がある。 参加企業が出したテーマから学生がも の作りを企画し、企業からの意見を取 り入れながら、マーケティング、開発を行い、選ばれたものが実際に商品化 されるという大プロジェクト。実践的マーケティングの実現のために、西川先生が立ち上げたものだ。今年で 13 年目を迎え、 22 大学の344名が参加する。西川ゼミでは、過去にいくつもの 企画が商品化された実績があり、学生たちのモチベーションも高い。 「マーケティングとは、顧客を深く理 解し、新たな価値を提供すること。私自身、この理論を研究していたことが、企業で新規事業を担当する中でとても役に立ちました。このゼミは、実践が中心のように思われますが、実践を通して理論を身につけることを目指しています。勉強もハードなゼミなんですよ」という西川先生の言葉通り、真剣に学問に向き合う学生たちの姿が印象的だ。

ポイント
市場経営学科はここがおもしろい!
 生活とつながった知識を得られるのがこのゼミの魅力です。商品のパッケージも企業が消費者のニー ズをふまえて作っていることがわかりました。知識を活かして商品開発できるのも楽しいです。
 神尾 陽香さん 経営学部 市場経営学科4年 千葉県立船橋東高校卒

将来は一流のマーターに!
 大学は好きなことをとことん突きつめられる場 所。ぼくは自分が楽しいと思ったことがカタチになって、人に喜んでもらえる面白さを知りました。将来も多くの人に笑顔を届ける商品を作りたいです。
 町田 大河さん 経営学部 市場経営学科4年 東京都私立法政大学高校卒

醍醐味
 「『楽しい』をカタチにする実践的マーケティング」がテーマで、理論と実践の両面からマーケティングを深く学 ぶことができる。マーケティング理論専門書の輪読を進めながら、企業への企画提案や商品企画のインターカレッジにも意欲的に取り組む。さまざまな知識や考えがぶつかり合うことが重要で、学生のプレゼンに対しても活発に意見が飛び交う。お互い妥協することなく、高いレベルで切磋琢磨できる雰囲気だ。「こんなゼミがあったら楽しいだろうな、という講義を目指しているんですよ」と西川先生。

法政大学、 こんな大学でした!
 自由を生き抜く実践知」を 大学憲章に掲げている法政大 学。西川ゼミでは学生たちが 闊達に意見を交わしながらこの「実践知」を磨いているように思います。キャンパスも明るく清潔で、充実した学びの環境 を感じました。

「法政大学 経営学部 市場経営学科 演習(マーケティング) 西川英彦」『TOSHIN TIMES 講義ライブ2018』2018年7月、pp.58-59.

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