「高い業務遂行能力を達成する上で、職位を越えて必要とされるオーラルスキルとリテラシースキルの不連続性: fsQCAアプローチ」
要約:
本研究では、多国籍企業の海外子会社に勤務する現地従業員の英語能力が、どのように言語の障壁を緩和し、彼らのワークパフォーマンスを向上させるかを探求する。外国語能力の多次元性を導入し、応用言語学、頭脳流出モデル、メディア共時性理論からの洞察を用いて研究の枠組みを構築する。本研究は、データ分析にファジーセット質的比較分析を用いることで、外資系子会社において、高い業務遂行能力を達成するための英語リテラシー・スキルとオーラル・スキルの相対的な重要性が、ポジションによって異なることを明らかにした。管理職と非管理職の間で必要とされる言語スキルが不連続であることは、下位のポジションで必要とされるスキルを段階的に開発しても、上位のポジションに向けた能力開発の成功は保証されないことを示唆している。さらに、本研究は、特定の文脈における英語の適切な使用をサポートする能力が、言語の障壁を緩和し、高い業務遂行能力を達成する上で重要な役割を果たすことを発見した。
キーワード:
ブレイン・ドレイン・モデル、英語力、言語障壁、読み書き能力、メディア共時性理論、話す聞く能力、社会言語能力
Manami Suzuki, Naoki Ando and Hidehiko Nishikawa, (2023) “Discontinuity of required oral and literacy skills across job roles in achieving high work performance: An fsQCA approach”, International Business Review, 32(4)