要約:
この研究では、クラウドソーシングを利用して新商品のアイデアを生み出す際の意外な欠点が明らかになった。それは、アイデアコンテストで優勝できなかった参加者は、コンテストを主催するブランドから一時的に離れてしまうということだ。クラウドソーシングのコンテストで負けた場合、負けた経験は参加者の口コミや短期的な購買行動に悪影響を及ぼす。コンテストを競争(例:「私たちの新しいレストランの名前を決める1人となるために、群衆(人々)と競争しよう」)ではなく、コミュニティ活動(例:「群衆に加わって、私たちの新しいレストランの名前を決めるのを手伝おう」)としてリフレーミングすると、負けた顧客のコンテスト主催ブランドに対するその後のエンゲージメントにプラスの影響を与えることがわかった。コミュニティとしてフレーミングすること(コミュニティ・フレーミング)で、コンテストの性質を変えることなく(つまり、参加者はアイデアを提出し続ける)、コンテストに負けることに対する注意(つまり、ネガティブな感情を軽減すること)から、優れた結果を集団で生み出すこと(つまり、自分の貢献の認知を高めること)へと注意をシフトさせる。コミュニティ・フレーミングは、その後の参加者の関与にプラスの影響を与えるが、参加者がコンテストに投資する努力や、参加者が提出するアイデアの質には影響を与えない。証拠は、ラボ実験、フィールド実験、実際の購買行動を測定した大規模なフィールド調査から構成されている。
キーワード:
クラウドソーシング, コンテスト, 競争, 新製品, ユーザー・イノベーション, アイデア創造
Tatiana Karpukhina, Martin Schreier, Chris Janiszewski and Hidehiko Nishikawa (2024) “I Didn’t Win! An Overlooked Downside of Crowdsourcing?”, Journal of Interactive Marketing, 59(1), 42-58.
paper 2023.9.11
“I Didn’t Win! An Overlooked Downside of Crowdsourcing?” Journal of Interactive Marketing
「私は勝てなかった!クラウドソーシングの見落としがちなデメリット?」