column 2021.2.5

「成功するクラウドソーシング ― 共通認識持たせる:みん100(西川英彦の目)」 『日経産業新聞』

【図・写真】発送サイズがわかるメジャー

【図・写真】発送サイズがわかるメジャー

 クラウドソーシングでは、自社サイト上はもちろん、第三者のプラットフォーム上でも、メーカーごとのアイデア募集が一般的だ。多様なアイデアが集まっても、アイデアの幅が広く実現性が下がり、メーカーとのマッチングが難しいからだ。だが、課題をうまく解決する好例がある。「みん100」(京都市、池田大介代表)のケースだ。

 昨年は「発送サイズがわかるメジャー」など8点が商品化された。すでに商品化第1号である2017年発売の「新聞柄わりばし」をはじめ百万個を超える大ヒットが4点も誕生している。

 そもそもは、14年ごろ、百均ショップに卸すメーカーから「自らのアイデアだけでは限界で、消費者の声を取り入れ開発したい」という要望があり開始。口コミや新聞掲載で約千人の会員が集まり、アイデアも投稿された。

 だが、1社との契約のため、商品化にはなかなか至らず、会員からも不満がでた。メーカーに製造の得手不得手があるため、18年ごろからオープンなプラットフォームに変更し、提携メーカーを10社まで広げ現在の形となった。

 商品化までのステップは次のようになる。第1に、消費者が会員登録後に、百均ショップで欲しい商品のアイデアを投稿する。

 第2に、40人の会員から「ほしい」という支持が集まると、商品化の検討がはじまる。40人未満でも急激に増加している場合は検討される。追加で、会員にアンケートなどを実施して深掘りする場合もある。

 第3に、同社は検討リストを定期的に提携メーカーに送付する。早いもの勝ちで決まる。

 第4に、採用されたアイデアの6~7割が商品化され、いずれかの百均ショップに販売される。商品には、アイデア投稿者の名前が記載される。発売が決まると、サイトで告知され、定期的に売り上げ数が報告される。

 マッチングがうまくいくのは、多様なアイデアだが、百均商品と絞っていることが鍵だろう。消費者もメーカーも100円で作れる商品という共通認識ができ、アイデアのブレをなくし、実現性を高める。(法政大学経営学部教授)

西川英彦(2021)「成功するクラウドソーシング ― 共通認識持たせる(西川英彦の目)」 『日経産業新聞』2021年2月5日付け、p.11.