「組織内コミュニケーションとその影響」
要約:
目的
本稿の目的は、親会社と海外子会社との間の組織内コミュニケーションを取り上げ、そのようなコミュニケーションが親会社とその子会社との間の知識共有を効果的に促進する方法を検討することである。
デザイン/方法論/アプローチ
本研究では、海外子会社の観点から、組織内コミュニケーションと知識共有の有効性との関係について考察する。このデータは、質問票サーベイによって、日本で事業を展開している子会社の現地マネージャーから収集した。仮説は、ロバスト回帰モデルを使用して検証される
調査結果
この研究は、親会社と海外子会社との間の組織内コミュニケーションが、知識共有の有効性と積極的に関連していることを見出した。組織内コミュニケーションの恩恵は、製造業よりもサービス業にとって大きい。買収を通じて設立された子会社は、グリーンフィールド投資を通じて設立された子会社よりも、組織内のコミュニケーションから大きなプラスの効果を享受することがわかった。
実践的インプリケーション
この研究の結果は、多国籍企業が知識の共有のために集中的な組織内コミュニケーションを促進するべきであることを示唆しており、それは外国子会社の有効性につながる可能性がある。特に、サービス業はコミュニケーションの価値を認識するべきである。この研究はまた、買収を通じて設立された海外子会社は、知識共有を成功させるために親会社とのコミュニケーションを促進すべきであることを示す。
独創性/価値
この研究は、知識共有に対する組織内コミュニケーションの効果が、産業間および参入形態間で異なることを実証している。これは、産業および組織内コミュニケーションの参入戦略への影響をさらに調査するための最初のステップである。
キーワード:
エントリーモード、知識共有、コミュニケーション媒体、組織内コミュニケーション、サービス業
Manami Suzuki, Naoki Ando and Hidehiko Nishikawa, (2019) “Intra-organizational communication and its consequences,” Management Decision, Vol. 57 Issue: 1, pp.71-85.