member 2012.7.3

「実践的マーケティング(経営学部市場経営学科 西川英彦教授ゼミ)」『ゼミ・研究室紹介』

「楽しい」をカタチにする実践的マーケティング

 賑やかな雑談から一転、プレゼン用のスクリーンが準備されると水を打ったように静まり、緊張感あふれる授業が始まる西川ゼミ。6月7日(木)もオープニングセッションであるテキスト『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント(基本編)』の輪読から始まり、製品やサービスの事例を研究する「ケーススタディ」(2年)、卒論の中間報告(4年)、22大学29ゼミと商品企画で競い合う「Sカレ(Student Innovation College)」の調査報告(3年)と、盛りだくさんなメニューを2時限、集中力切らさずにこなしました。

テキスト第7章「市場セグメントとターゲットの明確化」の輪読では「行動による細分化の際、ミドルユーザーにはどのような対策がなされるのか?」などの実際的方法について分析され、「ケーススタディ」では自動掃除機の人気等について仮説検証。上級生からもプレゼンが上手いと評される伊藤貴晃さん(2年)は「西川ゼミでの学びは期待以上。ただ説明をするだけでなく意見も求められるので、より理解を深められます」と話します。

しかし、「実践的マーケティング」をテーマにアウトプットを重視した研究を進める西川ゼミは、商品企画に取り組めることが最大の特徴。企業への商品提案(2年/「無印良品」)、関西大学主催のビジネスプラン・コンペティション「KUBIC」(2年)、田路ゼミとの合同研究による「アンドロイド携帯のアプリケーション開発」(2・3年)もありますが、ゼミ生にとって最大のイベントとなっているのが「Sカレ」です。

「Sカレ」は開催規模の大きさも然ることながら、優勝すれば実際に商品化されるとあって「学生という立場でありながら実社会に挑戦できますし、社会人であったとしても滅多に得られない機会」と、2012年度「Sカレ」委員を務める守倉梨奈さん(4年)はその魅力を話します。また、「業界研究を通じた就職観や、チームワークによる協調性も身につけることができました」と商品企画の醍醐味について語るのは昨年「KUBIC」で入賞し、大手証券会社に就職予定の細井美沙緒さん(4年)。細井さんとペアで入賞した宮本麻実さん(4年)は「調査に調査を重ね、アイデアをカタチにするのは難しい」としつつも、「でも、“創造”はとても楽しいことです」とにこやかに話します。

 ■西川ゼミfacebookページ(※facebookに登録していない方でもご覧いただけます)

■2011年10月18日掲載フォトジャーナル
 「関西大学ビジネスプラン・コンペティション『KUBIC』で、経営学部3年の宮本麻実さんと細井美沙緒さんが企業賞を受賞」


学生ならではの挑戦ができる、多彩な学び環境

「西川ゼミと言えば商品企画ですが、ゼミの魅力はそれだけではないんですよ」と教えてくれるのはゼミ長の小石謙太さん(3年)です。「隠れた魅力」とゼミ生の多くが語るがOB会。法政大学における西川ゼミは2010年に始まりましたが、西川教授が以前所属していた立命館大学のOBと大学間を越えて交流があるのだと言います。「先輩という存在があるのは心強い。飲み会やイベントに必ず出席し、毎回いろいろなアドバイスをくださる方もいます」と再び小石さん。小石さんとともにゼミ長を務める蝶名林みどりさん(3年)は「私たちはもちろん、先輩方も西川先生のゼミ生であることに誇りを感じているんだと思います」と親密さの理由を話します。

西川教授の豊富な人脈により多彩なチャンスに恵まれているゼミ生たち。「質問時間にも関わらず提案した私の商品アイデアに丁寧にご指摘いただき、プロの方々の凄さを直に感じられました」と冨田夏帆さん(3年)が希望の大手食品企業の調査に参加したような、西川教授ご自身の調査研究による企業訪問をはじめ、海外夏合宿での大手企業海外駐在員とのワークショップや、社会人向けセミナーの参加もあります。実社会との接点により社会的基礎力とされるコミュニケーションや礼儀までスマートにこなすゼミ生たちですが、西川教授は「社会的スキルは仕事を通して身につけられる。ゼミ生には、学生であるからこそできることを存分に行ってほしいと思っています」と言います。

西川教授のその言葉を体現しているかのように、ひときわ個性的な卒論に取り組んでいるのが圷康太さん(4年)。もともとアニメに興味があったという圷さんは「なぜ『聖地化』するのか―コンテンツ・ツーリズムの可能性―」と題して敢えて失敗例を検証し、アニメを利用した観光誘致について考察しています。「アニメの舞台になった地元地域の活性化にも貢献したい」と圷さん。「でも…」と続け、「先生はいつも『学生ならではの視点を大切に』とおっしゃり、私たちゼミ生の“楽しい”という気持ちを後押してくださいます」とコメント。社会貢献という気負いではなく真の意欲から研究を深化させ、結果として社会で役に立ててもらえるよう、夏休みにはフィールドワークも行いたいと話していました。


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