member 2016.3.31

【論文】本條晴一郎(博士課程)「リードユーザー」『マーケティングジャーナル』

要約:
 新製品開発において,(i) 新製品やプロセスのニーズに関連して特定されるトレンドの最先端に存在し, (ii) それらのニーズが解決されることによって比較的高い純便益が得られると期待しているリードユー ザーを組み込むリードユーザー法が有効であることは,3M の事例などから明らかになっている。本稿では,リードユーザー法の根拠を,イノベーションの源泉についての研究,および,リードユーザーを特徴付ける構成概念であるリードユーザーネスについての研究を概観することで整理する。そして,リー ドユーザーネスを用いた定量的研究の結果から,リードユーザーの特徴について述べた上で,実務におけるリードユーザー法と操作化された構成概念であるリードユーザーネスの間にギャップが存在するこ とを指摘する。最後に,分野限定的な構成概念であるリードユーザーネスには,(1) 分野を超えた有効性をもつ可能性の確認,(2) 注目する分野のレベルを変えた場合の概念の頑健性の確認,(3) 新規事業を起こすような革新的行動との関係の明確化という課題が残されていることを述べる。

キーワード:
 リードユーザー, ユーザーイノベーション, 新製品開発, マーケティングリサーチ

本條晴一郎(2016)「リードユーザー」『マーケティングジャーナル』Vol.35 No.4、pp.150-168.

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