member 2018.5.30

【新聞掲載】「電子版閲覧数ランキング -「SNS映え」増える、1位九州大、2位大阪大、3位法政大(キャンパス発この一品)」 『日本経済新聞』

 大学発の商品を紹介する「キャンパス発 この一品」。愛校心をくすぐる従来型の開発手法の一方で、交流サイト(SNS)での見せ方を意識する今どきの若者気質を反映したものも目立った。2017年4月~18年3月に紙面で取り上げた約40品目のうち、日本経済新聞電子版で閲覧数が多かった上位品目を掲載後の動向を交えて振り返る。
 ランキングをみると、学生ならではの視点で工夫を凝らした実用性やデザインなどが注目を集めている実態が浮かび上がってくる。1位になった九州大学のオリジナルの「ノートとルーズリーフ」は勉強のしやすさに着目。「図形をきれいに描ける」といった実用性が評価を受けた。
 愛校心に訴えた代表格は3位の法政大学の「リバーシブルパーカー」と5位の慶応義塾大学の「山食カレー」。ともに東京都内の有名校で、学生のほか、OB・OGの関心も高かった。
 「SNS映え」を意識した商品も相次いだ。8位に入った金沢工業大学の「液体がこぼれた形のメモ」や9位の実践女子大学の「どうぶつおしりマシュマロ」が典型。ともに遊び心を誘うユニークな発想から生まれた。
 4位にランクインした京都大学の「木製パズル」や6位の金沢大学の「高温でも溶けないアイス」は大学での研究を生かしたアカデミックな商品。10位の岐阜大学の「人工筋肉膝サポーター」は地元企業との連携の成果が商品化に結び付いた。
 学生目線の商品は企業が見逃しがちなニーズをすくい取り、社会的評価を得る可能性がある。少子化の進展などを背景に大学間競争が激しくなるなか、学生の柔軟な発想や研究成果から誕生したキャンパス発のヒット商品は大学のブランド力向上にも一役買いそうだ。(中略)

3位 法政大 リバーシブルパーカー 街でも着こなせる
 
法政大学がアパレルブランドのアーバンリサーチと共同開発した「リバーシブルパーカー」は文化祭や運動部の応援時のほか、街でもおしゃれに着こなせるのが特徴だ。一部の色は現在も衣料品通販サイト「ゾゾタウン」で販売している。価格は5400円。
 商品開発は経営学部の西川英彦教授のゼミでマーケティングを学ぶ学生たちが手掛けた。「大学の公式パーカーは体育会系やOB・OGが着ているイメージが強い。学生が普段使いできるものを作りたかった」という。
 一方で、運動部の応援などで愛校心を表現できるデザインも盛り込みたいと考え、裏地にスクールカラーの青とオレンジを使う表裏両面デザインにたどり着いた。胸には法政大とアーバンリサーチの頭文字を重ねた「HUR」の文字をあしらった。

「電子版閲覧数ランキング -「SNS映え」増える、1位九州大、2位大阪大、3位法政大(キャンパス発この一品)」 『日本経済新聞』2018年5月30日付け、朝刊、p. 27.